Japanese classes SE London and Online
34 Sunderland Road, Forest Hill SE23 2QA

GCSE Japanese Information
試験の概要とFAQ
イギリスでセカンダリースクール修了時に受ける全国統一の学力試験。外国語はリーディング、ライティング、リスニング、スピーキングの4つの試験があります。通常ヨーロッパ言語の1つを必須または選択科目として学びます。中には日本語のようなユニークな言語をカリキュラムに取り入れGCSE日本語試験を実施する学校もあります。
学校外で勉強して試験を目指すことも可能で、private candidate (個人受験)と呼ばれます。国際家庭で育つお子さんにとっては中学校で習う外国語と同等レベルの日本語はどんなものかを知る良い機会です。小学校2年生ぐらいの文章が読み書きできる、簡単な日本語の会話でロールプレイや説明、意見が言えるなどが目安です。
4月下旬〜6月。日程はPearson Edexcelのサイトで12月ごろ発表。試験はスピーキング、リーディング&リスニング、ライティングの3回。スピーキング試験は学校が実施日を決め、他の試験はイギリス全国で同じ日に行います。
Summer 2026
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Speaking Exam Period: 16th April - 21st May
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Listening and Reading Tests: Monday 1st June Morning
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Writing Test: Thursday 9th June Morning
Pearson Edexcelの公式情報も必ずご確認ください。
GCSE Japanese FAQ
GCSEの資格は何の役に立つ?
日本語の基礎力がつきます。他の教科とともにGCSEの成績として記録され、好成績は中学卒業後の進学に役立ちます。
GCSEの判定は9段階。どの科目も4が「合格」です。7は旧スペックのA判定、8と9はA*です。
Standard pass : 4
Strong pass : 5
セカンダリースクールからシックスフォームカレッジなどに申し込む時に学校ごとに求められる学力基準があります。GCSEのグレード平均や希望校が定める基準以上の成績が何教科あるか等(例:グレード6が6教科)で判断されます。アカデミックな学校では7、あまり要求が厳しくない学校では5というように基準は学校によって違います。その際、所属している学校のカリキュラムにない日本語を個人で受験した場合でも成績は教科のひとつとして認められる可能性が高いです。
その他
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Y9以降でスペイン語などの外国語の代わりに日本語のGCSEを受けたいと交渉できる。許可されるかは学校による。
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Y9やY10でDuke of Edinburgh Awardという課外活動プログラムに参加する学校が多い。「スキルを学ぶ」項目があり、日本語学習を活用できる。
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日本で大学進学、就職したい場合にはJLPTという日本語能力試験がある。N5からN1まで5段階の資格でN1が最高。N3以上はかなりの力がある証明に。GCSEはN5ぐらいなので長い目標の第一歩になる。
いろいろ紹介しましたが、実際には目的を持って勉強できることが最も貴重です。これから日本語を勉強してみたい人、今まで勉強してきた結果を残したい人のどちらにもGCSEはよい機会です。
日本から英国に短期滞在している場合
イギリスの学生が外国語として数年間学んで受ける試験ですのでレベルが易しすぎます。日本に帰国された後で日本語の資格として役立つ機会は無いのではと思います。
日本語がない学校でも可能?
私の地域(ロンドン南部) では日本語を教えていない学校でも校内で試験だけ行ってくれるところが多いです。良い成績が取れそうなら承諾する学校、学校外できちんと勉強した生徒のみ承諾する学校、条件なしに支援してくれる学校など、ポリシーは学校によって違います。
学校でGCSEを受けられない場合
「イグザムセンター」と呼ばれる一般の試験場で個人受験ができます。住んでいるエリアに試験センターがあるか、試験を提供しているPearsonの検索ページから調べられます。リストに載ってる会場ならどこでもGCSE日本語の受験が可能なわけではなく各会場に問い合わせが必要です。スピーキング試験を行う試験官が必要だからです。家の近くに会場がない場合はPearsonに電話で聞いてみると良いそうです。Japan Foundation Londonのサイトにも同様の情報が掲載されています。
GCSE日本語が受験可能な試験場の情報
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英国国際教育研究所(ロンドン):近年は受け入れがない年が続いています。
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Hendon School(北西ロンドン):Community Language Examの情報が掲載されています。
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London Brookes College(北西ロンドン): 受験生から。
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London Professional Training Collegeで受験:読者の方から。
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Tutors&Exams (Birmingham Exam Centreで受験):読者の方から。
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Tutors&Exams (Cambridge近郊・ ロンドン近郊など各地):先生情報。
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Excel Exam Centre (Stratford):先生情報。
学校で受けさせてもらえずお悩みの方は多いです。日本語のGCSEが受けられる会場について情報を提供してくださる方がいらっしゃいましたらぜひご連絡ください。
学校への申し込みはいつ、誰に?
受けたい年度の9〜12月に学校に問い合わせてください。クラス担任からイグザムオフィサーの先生に伝えてもらうか、外国語の先生に相談するのがいいと思います。OKと言われたらその年度の夏学期に学校内で試験を受けさせてくれます。学校から試験機関に、個人受験者の申し込みをする時期は2月上旬です。1月に担当の先生に再度確認すると安心です。
GCSEのサンプル問題はある?
はい。こちらのリンクをどうぞ。Foundation Tier(Grade 1-5, 漢字76字) とHigher Tier (Grade 1-9, 漢字200字)の2種類あります。どちらのレベルも語彙の範囲が広いのが特徴です。
Foundationか、Higherか?
試験問題はFoundation TierとHigher Tier の2種類あり難易度と漢字数が違います。日常会話ができたり学習歴があるお子さんはHigherを選びます。日本語学習が完全に初めてで家庭学習のみの場合はFoundation も検討すると良いです。迷う場合は変更の締切を学校や試験センターに聞いてぎりぎりに決めるのをお勧めします。
必要な準備期間の目安は?
学校のカリキュラムなら最短でも120時間程度(+宿題等)の学習を終えてから受ける試験です。一般的な外国語教科をゼロから学ぶ場合はこれに加えてGCSEの勉強に入る前に2、3年の準備的な学習期間もあり、合計300-400時間ぐらいではないでしょうか。家庭で日本語に触れてきた人はもっと短い期間で準備できると思います。
Pearson EdexcelのウェブサイトにあるSample Assessment Materials をご覧ください。日本語学習歴が長く高いグレードが目標の場合、Reading paperが7割ぐらい理解できれば1年、半分前後なら2年準備。既にほぼ全問理解できれば作文などに特化して1〜2ヶ月でブラッシュアップをおすすめします。
2年間の個人レッスンをお勧めしたいのは以下のようなお子さんです。
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ひらがな・カタカナは一文字ずつ読めるが本格的な読み書きは初めて。会話は理解できる。
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日本語会話に慣れていないが、ひらがな・カタカナが読め、一定の理解力はある。
私の教室のグループレッスンはお休みも長いので上記のようなお子さんと3年間で準備します。個人レッスンはこちらのページをどうぞ。
日本語を勉強したことがない
GCSEはゼロから学習するイギリスの中学生のための試験ですから小学校時代に読み書きを練習しなかったお子さんでも到達できる目標です。1週間に2回ぐらい(例:レッスン1時間+宿題30分)勉強する習慣は必要です。準備期間の目安は目標によって2〜4年です。私の教室ではイギリス人の一般学習者と一緒に英語でレッスンを受ける人もいます。
日本語に興味があってもGCSEの勉強は合わないと感じるお子さんもいます。最初の1年間で教室を辞め、そこまでに学んだ知識(主に読み力のウォームアップ)と日常会話力だけで数年後にさっと試験を受けた人もいます。また、試験勉強が好きではないと気づいて中止し日本の家族とのコミュニケーションという自分の目的に合わせてコースを変更した生徒もいます。
家庭学習だけで挑戦できる?
レッスンを受けなくても勉強はできると思います。GCSE教材のページをどうぞ。一定の日本語力があり特別な準備がいらない場合は、作文とスピーキングだけGCSEの個人レッスンを提供している先生に数回ポイントレッスンをお願いすると安心です。GCSE外国語の個人受験者中には試験内容をよく理解していないが、とにかく受けてみるという感じの人もいます。どこまで高めて受けたいかは人それぞれです。
グレードの予測とモックテスト
成績(グレード)は4試験の点数を25%ずつ配分した合計点で決まります。総合力は受験の年に模擬試験(モックテスト)をするまではっきりわかりません。私はモックテストの結果からざっくりと、50〜60%正解=Grade 5、60〜70%=Grade 6というように置き換えます。グレードの境界は毎年異なります。教室では4種類の試験を行う時間は取れないのでReadingとListeningだけ行い、Speaking とWritingは授業や宿題を参考にします。
学校によっては1〜3月に個人受験者向けに校内でモックテストを実施してくれます。学校が受験者のレベルの確認する、本番の雰囲気を提供するなど目的はそれぞれ違います。どちらにしても良い機会です。GCSEを申し込む時に学校で行う予定があるか聞いてみてください。ReadingとListeningは答えを英語で書くので学校は解答を見ながら採点できます。Writingを採点できる人がいないと言われたら学校外で日本語レッスンを受けている場合はその先生に相談するといいと思います。
グレードの目標(参考まで)
ひらがな・カタカナ・簡単な会話が理解できればスタート地点は3、少しの漢字または日常会話など、強みがあれば5ぐらいかもしれません。私の教室に多いのは会話やリスニングがある程度でき、本格的な読み書きは中学生から始めた生徒たちで、学校の得意教科と同じぐらいのグレードが取れたらうれしい(Higher Tier, 7以上など)と思うようです。Y9-10になると他の外国語のグレード目標と比べることができてわかりやすいです。
日本語会話がない家庭のお子さんがひらがな学習から始める場合は2-3年でFoundation Tier(易しめで漢字が半分以下の試験)のパス、つまり4から5に到達するのをベンチマークにしています。
教室では週1時間で年に30回弱のレッスンを行います。生徒の自然なプログレスの目安は1年間でグレード1つアップです。自主性や学習能力が高い生徒の場合は予想を超える成長もあります。
日本語を勉強したことがある人はGCSE Japanese Sample Assessment Materialsの利用がおすすめです。Reading Test Paperの、Foundation TierとHigher Tierを比較して漢字のレベルが合いそうな方を試してみましょう。私が出会う補習校出身の生徒たちはGCSEで日本語の勉強を再開するときに5〜7ぐらいの人が多く、1〜2年で準備をしています。
いつ受けるのが一番いい?
対象はY11です。Y10-11なら学校で個人受験できるがそれ以前は無理というケースは多いです。少し待っても学校で受けた方がいい理由は以下の通りです。
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外部の試験センターで受験する場合は会場に合計3回お子さんを連れて行かなければならない。
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外部の試験センターは費用が発生する(£200-450)が学校で受験する場合は学校が負担してくれるかスピーキング試験のみ家庭で費用負担など。
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学校ならスピーキングテストの日時を決める時に行事の期間を避けてもらえる。
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16歳向けの試験問題はY7-8のお子さんには長くトピックも退屈。
私は日本語力がGCSEレベルに達している場合もY9-10まで待つことをお勧めします。試験の流れを理解できる年齢は早くてもY9ぐらいです。Y7-8のお子さんと保護者に試験や学校とのやりとりを説明するのは負担が大きいので受け付けておらず、今まで希望者もいませんでした。以下はよく聞く意見です。
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Y10は勉強が忙しくなるからその前に受けたい(Y9)
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他のGCSEの1年前はちょうどいいタイミング(Y10)
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他の外国語でもGCSE対策が始まり問題に共通点が多い(Y10)
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早く受け過ぎてその後の日本語学習が止まってしまうのは残念(Y10)
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日本語を始めたのが遅かったのでできるだけ長く準備したい(Y11)
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Y10時点でまだまだがんばりたいと思った(Y11)
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他の外国語は取らないことにしたので、メインのGCSEと同時でも構わない(Y11)
スピーキングテストの試験官
学校に日本語の先生がいない場合は保護者が試験官探しを頼まれるケースが多いです。学校が見つけてくれる場合もあります。Japan Foundation UKに相談すると日本語教師のグループメールに転送してもらえるようです。また、Japan Foundation UKのウェブサイトには日本語チューターのリストがあるので同じエリアの先生を自分で探したり、日本語の先生を募集するページに無料で広告を出すこともできます。
習っている日本語チューターの先生に試験官として学校に来てもらえたら一番良いです。写真付きIDやDBS(無犯罪証明)の提示を求められることがあります。DBSの申請、取得はこちらから。稀ですが、チューターは個人的な知り合いであるため試験官に不適切と言う学校があります。試験ガイドのConflict of Interestという項目を読む限り問題はないのですが学校の判断に従って別の人を探すケースもあるようです。
GCSE日本語の試験官を初めて行う方に依頼する場合はPearson Edexcelが発行している外国語試験官のサポートガイドをじっくり読んで準備してもらってください。試験の進行については細かく決まっています。試験前に模擬練習をお願いできると理想的です。当日初めて会う場合、受験者は試験開始前に試験官に話しかけて自己紹介をし、会話タスクに選んだトピックが伝わっているか確認したほうがいいと思います。事前に学校を通じて試験官に事前に伝えるべき内容ですが、学校にとってカリキュラム外のスピーキング試験をアレンジするのは大変な作業です。受験者も試験について熟知しておくと安心です。
GCSE日本語スピーキング試験
詳細はこちら。
スピーキング試験官への費用
試験の日に試験官が学校で過ごす時間は約1時間です。事前のやりとり、移動時間や交通費を考慮すると合計2、3時間の費用請求があると思います。私の経験では学校がこの費用を負担するケースが多いですが10校中2校ぐらいは受験者の家庭に請求書が回って直接お支払いをいただきました。
結果の受け取り方
学校に取りに行きます。生徒宛にメールも送られると思います。詳細は学校にお問合せください。
GCSE修了後は?
日本語力の維持向上のために学習を続ける生徒もいます。クラスの紹介をご参照ください。
パンデミックの時、試験はどうなった?
Covidにより一斉試験ができず、教師が成績評価を提出しました。学校外で勉強してきた人にとっては学校が個人チューターからの成績評価を認めるかどうかがポイントでした。私の場合、消極的な学校には私の日本語教師経験を保護者から学校へメールで伝える交渉をお願いしました。Y9-10など若い生徒は次年度まで待つように勧められました。また4技能のうちスピーキングテストは簡易化され成績に反映されませんでした。
パンデミック年度の受験例
日本語チューターがそれまでに行った複数のテストなどをもとに成績を予測し、試験のスキャンやスピーキング能力評価用紙と一緒に学校に提出。学校によっては5月に別途校内でモックテストを実施。その採点はチューターが行うケース、外部のモデレーターに託されるケースなど学校の判断で異なりました。個人の日本語チューターはPearson Edexcelのニュース更新などを随時チェックしながら学校、保護者と連携していたと思います。