Japanese classes in London and Online
34 Sunderland Road, Forest Hill SE23 2QA

A-Level Japanese Information
イギリスのAレベル試験と日本語
Aレベルとはイギリスで高校相当の学習が修了したことを証明する資格で、General Certificate of Education(GCE)の中のAdvanced Level Qualifications の通称。教科別に試験を受け、得点によってA*・A・B・Cといった成績が与えられます。大学に進学したい人はこの成績が重要であり、各教科の試験は難しいです。
Aレベルの外国語教科の中には日本語もありますが情報が少なく、Aレベル対策コースを運営しながら調べたり講師の先生や受験生に聞いて学びました。まとめる必要があったのでこちらに公開しています。内容はイギリス在住の受験者向けです。具体例で記載している大学の情報は2024/25または2025/26年の内容です。
Aレベルの概要
セカンダリースクール後の進路
6th Form /シックスフォームと呼ばれるタイプの学校に進学する人が多いです。シックスフォームは16〜18才の大学志望者にAレベルやIBのコースを提供する学校。Y12-13の2年間通います。役割的に日本の進学高校に似ています。シックスフォームはセカンダリースクールに併設されていたり(シックスフォーム)独立した教育機関だったり(シックスフォームカレッジ)形態はさまざまです。シックスフォーム以外の「カレッジ」と呼ばれる学校に進学する人もいます。
イギリスのカレッジの定義は独特で、進学準備学校や専門学校が一般的な意味です。個性的なカレッジや社会人対象のカレッジはクリエイティブ系、パフォーマンス系、職業資格が取れるなどの特長があり、Aレベルの教科も学べるようです。
これとは別にオックスフォード大学やケンブリッジ大学ではカレッジ制度という学内システムがあります。セカンダリースクールの「ハウス」のような感じですが数がずっと多く、30以上のカレッジに名前がついています。「オックスフォード大学のマートン・カレッジに所属している」「ケンブリッジ大学でどこのカレッジに入りたいか」という文脈でのカレッジはセカンダリースクールの後に通うカレッジとは別物です。
また、イギリスにはキングス・カレッジ・ロンドン大学など名称にカレッジが含まれる大学があります。これらの機関はUniversityであり、セカンダリースクールの後に通えるカレッジではありません。
大学進学とAレベル
イギリスの大学受験は大学ごとではなく共通のAレベル試験を通して行われます。大学・学部(コース)ごとに合格条件(エントリー・リクワイアメント)と呼ばれる基準が設定されていて、それを満たす成績であれば合格です。Aレベルは通常は3教科の試験を受けます。科目の選択は比較的自由です。
大学進学に有効な資格はAレベルの他にもIBやB-Teckなどもあります。このページはAレベル情報のみです。
Aレベルの流れ
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GCSE修了
Aレベルで学ぶ教科を選択し、Y12から2年間学びます。
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Y12の終わりからY13の始め
大学・学部(コース)の合格条件(エントリー・リクワイアメント)を調べて出願手続を開始。5校申し込めます。出願はUCASというシステムで統一されています。
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UCAS提出しめきり:10-1月
一部の最難関校はY13の10月中旬。Aレベル本試験の前に事前試験や面接があるため。一般大学のUCASしめきりはY13の1月末。
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UCAS提出前
学校が各教科のAレベル試験結果の予測(プレディクション)をABC方式で入力します。校内模試(モック試験)の成績がもとになります。モック試験はY12の夏・Y13の秋を中心に1月のUCAS提出しめきりまで何回かあり、プレディクションも更新されます。10月にUCASを提出した人は成績予測は固定され、その後のモック試験結果は反映されません。
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UCAS提出後
順調な場合は各大学から仮オファーが来ます。複数の大学から仮オファーが来たら5月ごろまでに2校に絞ります。残念ながらオファーが来ない場合、成績が足りないことによる却下が多いと思うのですが、合格条件を満たしているけれども競争が激しい時もあるようです。詳しいことはケースバイケースなのでわかりません。
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Aレベル試験:5-6月
8月に結果発表。予測通りの成績が取れたら仮オファーの大学に合格です。結果が思ったより低く不合格になった場合はクリアリングという手続きを行い、各大学に定員に空きがあるコースがないか問い合わせます。
UCASとは
Universities and Colleges Admissions Serviceの略でイギリスで大学進学申し込み窓口になるオンラインサービス。大学やコースの選択、パーソナルステートメント、学生ローンなど膨大な情報を受験生が入力します。
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英国の大学願書システム(Y13でUCASアプリケーション提出しオファーを受けるまで)
Aレベル日本語
どこで学べる?
Aレベル教科の種類は幅広く日本語を選択することもできますが、受験者が少ないため学校の中で日本語を学べるところは英国内に少数しかありません。学校外で勉強する人が多いです。Aレベル日本語のグループレッスンの情報はmixbやGoogle検索、個人レッスンの先生探しはこちら。もしくはJapan Foundation UKのチューターリストがおすすめです。日本語を選択するとAレベル全体にどんな影響があるかはAレベルの教科の選び方をご参照ください。
どこで試験を受ける?
所属している学校で受けられたら理想的です。校外で勉強して試験だけ校内で受けたい人は個人受験/Private Candidateと呼ばれます。学校にはPrivate Candidateとして受けられるか?と問い合わせます。
Aレベル日本語はスピーキング試験がありません。主要なAレベル外国語にはスピーキング試験があるため、学校が知らない可能性もあります。スピーキング試験官を探す手間がないことを伝えると引き受けてもらいやすいかもしれません。
学校に断られた場合はA Levelの試験会場を探します。
Aレベル日本語の申し込み
Y12が始まったらすぐに学校に伝えます。
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Y13で受ける人
Y12の夏から13の秋にかけてUCASで出願を行う時に他の教科と一緒に日本語試験を入力。UCASの手続きは受験者自身が行うので家庭で把握しづらいですが、これを行なっていれば日本語の申し込みができたということだと思います。Aレベルの教科を入力するのはUCASの中のEducationという項目です。
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Y12で受ける人
学校で受ける人は了承をもらえたら後は試験日にテストを受けるだけだと思います。スピーキング試験がないので筆記試験の直前まで何も言われないかもしれません。学校に確認する場合のタイミングは1月半ばに試験の申し込みが済んでいるかを、イースター休みの前には試験の日時(ネットでもわかります)と教室を聞きます。
試験はいつ?
2026年のAレベル日本語の日程は5月19日・6月1日・6月11日。試験は3回あります。公式情報も必ずご確認ください。
試験の費用
学校でAレベル日本語を受験できる場合は費用も負担してくれると思いますがご確認ください。学校外の試験会場は£300から£800ぐらいで申し込みが遅いと高くなります。
試験での辞書の使用
辞書や資料の持ち込みはできません。
スピーキング試験
Aレベル日本語にスピーキング試験はありません。主要な外国語教科にはあります。
Exam Board
日本語のAレベル試験を提供しているExam Awarding Body/Exam board(イグザムボード:試験委員会)はPearson Edexcelだけです。学校に聞かれたらPearson Edexcelと答えてください。
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イグザムボードとは?
試験問題の作成・採点を行う機関。Pearson Edexcel・AQA・OCRなどがあり、それぞれ微妙に違うカリキュラムとそれに基づいたAレベル試験を提供します。どのイグザムボードの試験問題を使用するかは学校が決め、教科ごとに異なります。学校は主要教科のイグザムボードは把握していますがマイナーな教科についてはよくわからないので、調べる前にまず受験者や保護者に質問してくることがあります。
日本語のグレード予測
Y13で日本語のAレベル試験を受ける人はUCAS の手続きのためにグレードプレディクション(予想の成績/Predicted Grade)が必要です。Y12の夏からY13の秋に日本語の先生に判定してもらい学校に報告すると思います。
家庭学習のみでY13で受ける人はUCASのGrade Predictionをどう記載するか学校に聞かれます。Aレベルの成績予測ができる日本語チューターの先生に依頼できたら安心です。以前、普段のレッスンに参加していない受験生のご家庭からのお問い合わせを受けたことがあります。有料(£65)でアセスメントを行い、教室のAレベル担当講師が判定を行いました。期間は課題が返却されてから10日程度いただきました。A*を予測することは教室に通っている生徒でも難しいので最高でAまでの予測ということで事前にご理解をお願いしました。
Aレベルの成績予測は大学からのオファーに関わる大きなポイントです。受験に影響が少ない場合(日本語が4教科目の場合など)やその生徒の学習状況が優良な場合は学校によって自己申告でも良いと言う可能性はあります。また、一般の試験会場で模擬試験を受けUCASへのGrade Predictionを発行するサービスもあるようです。
Y12の受験者はUCASはまだ行わないのでグレードプレディクションは必要ないと思います。日本語の受験を許可するか判断するために学校に聞かれることはあるかもしれません。
モックテスト
モックテストを全て行うには2時間半の試験を3種類する時間が必要です。全て行うのは難しいので個人レッスンの先生はパストペーパーを部分的に活用したり、宿題として出すことも多いのではないでしょうか。UCAS のPredicted Gradeを日本語の先生にお願いする場合は何らかの形で行ったモックテストの他に、宿題など提出内容も判定材料になるかもしれません。
AS試験
Y12の終わりに受ける試験。実施しない学校も多いです。日本語にはAS試験はありません。
家庭学習だけで挑戦できる?
GCSEが8か9で日常的に日本語を使っている人はある程度は可能ですが、作文は事前に自習でリサーチした内容に触れながら書く問題なので特別な準備が必要です。試験のスペシフィケーションを確実に理解することが重要なため、ガイダンスを受けると安心です。自習で行う課題は適切なフィードバックをもらうことが好成績につながります。数回の個人レッスンを検討してはいかがでしょうか。
GCSEとAレベルはどう違う?
GCSEの日本語
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義務教育の中で学ぶ外国語の一つ。日本の中学で学ぶ英語ぐらいのレベル。
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スタート時の日本語力が高い生徒さんの場合、成績の予測が比較的しやすいです。
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スピーキングを含めた4つの試験があります。
Aレベルの日本語
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文学作品や映画、ニュース記事などを読みます。興味がある人にとってはおもしろい勉強。日常生活に関連した高度な語彙を身につけることができます。
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リサーチ課題(自由研究)があります。テーマを事前に選び、授業やネットの記事などで知識を得ることが必要。日本語力だけではなく準備が成績に影響します。試験では調べた内容に言及しながら作文を書きます。試験問題は毎年異なるので覚えていることだけを書くわけではありません。
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レッスン外で進める課題が多いです。日本語にどれだけ時間をかけ、課題を遂行できるかは先生にも予測できません。
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スタート時の日本語力がやや低くても自主勉強ができ、先生の指導をしっかり活かせる人は良い成績につながります。
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作文は求められる文法表現を使うことや全体の構成が重要です。ネイティブ話者が上手だと感じる作文でも内容がずれていると高得点にならない傾向はGCSEよりも厳しいです。
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スピーキング試験はありません。Aレベル外国語はスピーキング試験がある言語とない言語があります。
GCSEを受けていないが可能?
Aレベルの教科選択はGCSEが7以上であることが一般的な基準です。学校で授業を受けないPrivate Candidateは良い成績が期待できる場合はGCSEは受けていなくても許可してもらえると思います。試験センターで受験する場合は費用を払えば誰でも受けられると思います。
2026年夏からの変更
問題文の言語が一部で日本語から英語に変わります。過去問を使って勉強する人は最新のSample Paperも確認してください。
Aレベル日本語の廃止を回避
以前にAレベルの外国語の選択科目を縮小する動きがあり日本語も廃止になる予定でした。幸い、継続を望む先生方の署名活動により廃止の危機を免れました。詳しい記事はこちら。
Aレベルの教科選択
基本情報
Aレベルは通常3教科を選びます。4、5教科選択する人や途中で3教科に絞る人もいます。教科選択はGCSE修了時に行います。将来学びたいことに合った教科、好きな教科を中心に決めます。
3教科の例
大学を選ぶ時は興味やAレベルで勉強している教科に合った大学・学部(コース)を探し、Entry Requirement(リクワイアメント)と呼ばれる合格条件にAレベルの必須教科が記載されているか確認します。
例えば理系学部では科学、経済学では数学、政治や社会学ではエッセイを読み書きする教科が必須であることが多いです。全く指定がない場合もあります。例をどうぞ。
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ノッティンガム大学 法学
AAA (Aレベル教科指定なし・GCSEで英語を含む5教科以上の4+)
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ロンドン・クイーン・メアリー大学 国際関係学
ABB (Aレベル教科指定なし・GCSEで英語と数学を含む5教科以上の4+)
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リーズ大学 化学
AAB (Aレベル化学必須・GCSE数学6+)
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ダラム大学 政治学
AAA (Aレベル社会学か人文学系1教科必須)
指定以外の教科は自由に選べます。Aレベル3教科に全く指定がない場合は英語・数学・科学・歴史など汎用性が高い教科やコースに関連する教科を入れると良いと言われます。また、Aレベルの選択が自由でもGCSEにおける一定の成績が求められ、ほぼ全ての大学で英語と数学は4以上が必要です。多いのは5教科で4以上(オールラウンドな基礎力) やAレベルの指定にないがコースに必要な教科で6以上などの条件です。
芸術系の大学もAレベルを受験して進学する人は多いです。Aレベル以外にも方法や有効な資格があるようです。
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アート系大学 (不特定)
多いのはAレベル2教科以上相当。ポートフォリオが最も重要。アート系のAレベル教科は必須または推奨。コースによりエッセイ系の教科もしくは数学・科学系の教科が必須または有利。
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音楽系大学 (不特定)
多いのはAレベル2教科以上相当。Aレベル音楽は必須または推奨。実技が最も重要。
ネイティブ受験者のAレベル外国語
Aレベル3教科に日本語を含めることは可能です。ただし、心配な点もあります。
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ネイティブなので大学に選択教科として認めてもらえないかもしれない
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ネイティブなので高成績でも大学への印象が弱いかもしれない
申し込む大学全てに確認が必要です。ネイティブの外国語選択に関して明記している大学もあります。
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マンチェスター大学全体の方針
We consider applications holistically, taking into consideration the overall educational environment. Where a native language A-level has been studied, we’ll consider them on an equal basis with other subjects.
総合的に評価し、一般教科と対等に扱うポリシー。ただし、これを基に学部独自の条件があるので注意。
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マンチェスター大学 社会学系の学部
We accept native language A Levels providing they are taken in the same sitting as your other subjects. We will not accept the combination of Mathematics, Further Mathematics and a native language.
ネイティブに寛容。ただし事前受験(*Y12などを指す)や数学系の特定の組み合わせは認めない。
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LSE大学 全体の方針
A-Level in a first/native language may be excluded if there is significant prior exposure to the language.
その言語を日常的に深く使用している場合は対象外。
4教科受験の例
日本語はAレベルの4教科目として取る生徒が多いです。4教科以上受験した場合についての説明例を挙げます。ネイティブの外国語Aレベルが有効かどうかは大学ごとに調べる必要があります。
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バース大学 社会学
AAA (指定なし)もしくはABBB(数学か統計学は必須)
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ケンブリッジ大学 美術史
A*A*A or over (指定はなく、お勧め教科リスト)
歴史・美術史・英語・外国語・数学など
このような説明がない大学も多いです。日本語を4教科目に入れたらどんな好影響があるのかは大学・コース・成績によって異なると思います。
日本語を選択する強み
Aレベル日本語を学ぶ人は少ないながらも毎年一定数いるので受験に有利になるケースがあるのだと思います。過去の生徒たちには日本語以外の成績や進路について聞く機会がないため、これは私の想像です。
例えば入学条件BBBの大学があったとします。試験結果がBBCの人は条件に満たなかったので不合格(実際には大学の判断、各年度の応募者状況で違います)になったとします。この時もし日本語を4教科目に受けていたらどうなるでしょうか。BBC+日本語がCの人は合格のチャンスがあるかもしれません。BBC+日本語がBだったら教科の指定がない限りBBBを満たしているので合格になるのではないでしょうか。
入学条件がAAAの難関大学で試験結果がAABであった場合に4教科目で日本語でA以上をとっていたら?結果がAAAでさらに日本語もBやAだったら?大学の判断によりますが、やはり強みになりそうです。ただし指定の教科で要求されている成績を満たす必要はあります。また、メインの教科でリクワイアメント以上の成績を取った人や、コースに関連した教科を4教科目に取った人ほどのインパクトがあるのかはわかりません。
Aレベル日本語を選択する人
私の教室では4教科目の日本語は受験の戦略というよりは日本語を学びたい人が選択しています。基礎力があっても試験準備に相当な時間を取られるので、内容に興味がない場合はお勧めしません。大学受験者の大多数はAレベルで3教科を深く学ぶ選択をします。Aレベルの各教科の勉強は本当に大変だからです。
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Aレベル各教科の勉強は大変
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Aレベル日本語の勉強も大変
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4教科目に日本語を勉強すると選択肢が広がったり合格チャンスが増える可能性あり
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日本語を途中で中止しても他に3教科あるならAレベル受験にはあまり影響がない
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日本語にそこまで自信がない場合3教科に入れることは慎重な検討を
がんばってください。
UCASポイントとグレード
大学受験の申し込みは英国でUCAS Applicationと呼ばれます。UCASではAレベルの成績はABC式でグレード判定されます。その他にUCASポイント(Tariff Point)という数字にも換算されます。Aレベル以外の大学受験方法もあるためポイント制度で統一されているようです。
UCASタリフポイント
A *56 A 48 B 40 C 32 D 24 E 16
通常の3教科に加えて日本語Aレベル試験を受けたらUCASポイントが上がると考えられますが、Aレベル受験者の場合は大学が一番に見る成績はメイン3教科です。例えば、C4つの人やC2つ+B2つの人は、B3つの人よりUCASポイントが高いですが、入学条件がBBBの場合はBが3つ必要です。B2つ+C2つの人にはもしかしたらBBBに近い総合力があると見てもらえるかもしれません。でもそれはUCASポイントというより成績に対する判断だと言われています。もちろんUCASポイントが重要な場合もあると思います。
他の言語の受験生の例
ネイティブだからアラビア語ならAかBが取れそうだけど・・・(Reddit)
AS試験
1年目の学習内容をASレベル、2年目の内容をA2レベルと呼びます。昔の制度では1年目の終わりにAS、2年目の終わりにA2と段階的な試験を行い、その合計に成績が与えられていました。現在は2年目の終わりにAレベル試験(ASとA2両方の内容を含む)を受ける制度に変わっていますが、AS試験自体は今でも一部の教科には存在し、Y12の終わりにAS試験を行う学校もあります。日本語はAS試験はありません。
AS試験を受けるとその結果はUCASポイントになります。特にY12で4教科以上選択し、後から絞り込みを行いたい受験生は1年で中止する教科のASでポイントを得ることができます。ただし2年間学ぶ教科に関してはASの結果はAレベルの成績の一部にはなりません。そのためAS試験を行わず、2年コースの最適な進行に集中する学校も多いです。
試験の内容
試験の構成
試験は3回あり、3つのペーパーを別の日に行います。成績は合計点に対して与えられます。GCSE日本語と違い、1回の試験に読解・作文・リスニング・トランスレーションからさまざまな内容が組み合わされてます。
Paper 1 2hs 30 min 40%
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Section A: Translation into English (20 marks)
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Section B: Reading (20 marks)
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Section C: Writing (research question) (40 marks)
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ポイント: Section C - 事前の「自由研究」をふまえた作文
Paper 2 2hs 40 min 30%
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Section A: Translation into Japanese (20 marks)
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Section B: Written response to works (literary texts) (45 marks)
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Section C: Written response to works (literary texts or films) (45 marks)
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ポイント: Section B/C - 事前の 文学・映画の学習内容をふまえた作文
Paper 3 2hs 15 min 30%
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Section A: Listening comprehension (30 marks)
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Section B: Listening, reading and writing questions (30 marks)
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ポイント: Section B - オーディオと文章で与えられる情報をまとめ、意見を書く
対策のポイント
私の教室ではまずPaper2 の文学・映画分析、次のにPaper1の自由研究の対策の順で優先的に取り組みます。
Paper 2 文学と映画の分析
事前にレッスンで学んだ内容を踏まえながら、当日見る試験問題に答えて600-700字程度の作文を書きます。課題となる作品は選択の中から受験生と先生で選びます。書き方はGCSE English Literatureがある程度参考になります。
文学の課題:「どんどん読めるいろいろな話」(全部)「キッチン」(「キッチン」1のみ)「窓際のトットちゃん」(全部)の中から1冊か2冊選んで勉強します。
映画の課題:「千と千尋の神隠し」「ディア・ドクター」「誰も知らない」の中から、文学が1つの場合のみ1つ選びます。
試験問題の例
キッチン (吉本ばなな)
(a) 桜井みかげが人のために料理を作ってあげることには、どんな意味がありますか。説明しなさい。
Explain what the significance is of Mikage Sakurai cooking for others.
OR
(b) 吉本ばななは、「キッチン」の中で、社会から外れた人の立場をどのように表現していますか。考察して、あなたの意見を述べなさい。
Examine how Banana Yoshimoto portrays people who are outside of mainstream society in "Kitchen".
Pearson Edexcel Sample Assessment Material issue 2 July 2024
ご家庭でのサポート(文学と映画)
課題の本を一緒に読んで話したり、映画を観たりしていただくことができます。お子さんがAレベルで学んだことを教えてくれる場合は考えをまとめるよい練習になります。
Paper 1 自由研究とは
試験では生徒が自由研究(リサーチ)を行ったテーマに関連した読み物が用意されています。それを読み、事前に行ったリサーチの内容を踏まえて600~700字程度の作文を書きます。自由研究のテーマは4つの中から生徒が選びます。
(例) テーマ1: 「 家族関係や人間関係につき、3点について調べる」
3つのポイント:伝統的な家族構成・核家族・家庭内の人間関係
試験の時はこの3点に言及しながら設問への答えをエッセイにまとめます。
自由研究のルールと進め方
受験者自身が行うように決められています。他者のアドバイスを受けてはいけないことになっており、先生が事前に指導できる内容も一定までです。具体的な資料を与えることはできません。先生は受験者が調べてきた内容に対するフィードバックを行うことで指導します。
Teachers must not:
• teach the content of the research subjects to students or provide sources.
Students must:
• initiate and conduct their own research, and develop their research skills when investigating their research subject.
If malpractice is found to have taken place, a penalty may be applied dependent on the circumstances and severity of the malpractice. For full details on malpractice, please see the section entitled Malpractice and the JCQ document Suspected Malpractice in Examinations and Assessments 2016-17.
(Pearson Edexcelの資料より引用)
家庭でのサポート(自由研究)
リサーチの手つだいは控えてください。リサーチ中の疑問を受験者が先生に質問するよう促していただくと良いと思います。
ご心配・ご質問
保護者の方のご心配
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勉強はどのぐらい大変か
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大変さに見合う結果が得られるか
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他の教科に集中したほうがよいか
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GCSEは9。準備1年でY12で受けられるか
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Y13で受けたいが他の教科と両立できるか
日本語Aレベルについてこのような質問をいただいた時にお伝えしている内容をまとめました。Aレベルに興味を持つほど熱意があるのはすばらしいです。ご心配を軽くできれば幸いです。
勉強時間
学校でAレベル日本語を選択できる場合は週に6時間程度の授業を受けます。学校外で勉強する場合、学習時間はネイティブ受験者でもレッスンと自主学習を合わせて週3時間ぐらい必要です。週1日程度のレッスン受ける人でもリサーチ課題や文学の分析課題はレッスン外で行うことが多いからです。
苦労に見合う結果が得られるか
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GCSEの成績を基にした目安
5=C、6=B、7=A、8&9=A*
ネットで見つかる一般的な情報ですが、この目安はやや楽観的な気がします。順調な推移は相当な努力や教科との相性を伴うため土台になる成績だけで予測するのは難しいと思います。日本語を学校外で勉強する場合は毎週6時間勉強する教科と同じように考えるわけにもいきません。
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私の独断による目安
GCSE 7→Aレベル目標 DからB (2年学習)
GCSE 8→Aレベル目標 CからB (1年学習) BからA (2年学習)
GCSE 9→Aレベル目標 BからA (1年学習) AからA* (2年学習)
以上は週1回の日本語レッスンを受け、課題にしっかり取り組んだ場合です。本人の熱意と努力でこの基準より上または下になることもあるでしょう。
優秀な受験者が多い教科なので成績を意識しすぎると気持ちが苦しくなります。大学受験の普通の感覚として、Aはすばらしい成績、Bも良いアピールになる成績です。
他の教科の勉強時間が減る心配
Y12の学校の試験時期を目安にするのはどうでしょうか。大きな試験の後は日本語をこなす余裕があったか、お子さんが振り返る機会になります。
Y12で受けるか迷う
Y12の夏に試験を受ける場合、Aレベル試験の申し込みは締切が2月です。1年で準備したい人はこのスケジュールに合わせて1月ごろレビューを行って決めるのはどうでしょう。逆に言えば秋から12月までは悩まずに勉強に集中したほうがいいです。軌道に乗れたら、そのままがんばって夏まで行けると考えていいと思います。
冬休み明けになっても不安があるようでしたら2年対策への切り替えをおすすめします。2年目にもっと不安になってやめ、貴重な時間が無駄になってしまう可能性を1年目からお子さんが心配している場合や、他の教科との両立がプレッシャーになる場合はAレベル日本語を続けるのは難しいかもしれません。
Y12で終えておくとよい点はY13で他の教科に集中できること。また、大学から仮オファーをもらった後に志望校を2校に絞る段階があるのですが、既に日本語の結果が出ている人は検討材料になるかもしれません。
注意点:ネイティブ受験者の外国語Aレベルに関して大学やコースによって早期受験した結果は評価しない方針もあります。
Y13で受けたいが他教科と両立できるか
GCSEをきっかけに本格的な日本語学習を始めた人やGCSEが8だった人は、Aレベル日本語の準備は2年間必要だと思います。学校や志望大学の方針で日本語をY12で受けることができず、Y13で日本語含め4教科の試験を受ける受験生もいます。計画性や学習習慣が必要ですが、決して誰もやらないことではありません。お子さんが挑戦したい場合はぜひがんばってみてください。プレッシャーが大変な時期(Y12の夏やY13の秋など学校のモック時期、コースワークがある人は締切前)一旦そちらを優先するなど日本語の先生と相談できると良いと思います。
私の教室のAレベル受験生の学年
Y13: 2024年1名・2025年1名・2026年3名
Y12: 2024年 1名・2025年1名・2026年4名
Aレベル目的ではない日本語コースに移ったり1年計画から2年計画へ変えた人はY12の2月ごろに変更していました。Y12で始めてY13の春に停止し、日本語Aレベルはギャップイヤーに取ることにした人もいます。
A*への準備期間
かなり特別な存在ですが1年間の学習でA*を獲得する人はいます 。日本語補習校の中学校まで通いGCSEは9だった人、日本の小中学校出身の人、日本人ではないが飛び抜けて優秀な人などです。私の教室で1年対策で受け入れできる生徒さんはB以上を目指せそうな人で、数ヶ月後にAを目標にできるか手応えがわかってきます。
プレディクションに関しては日本語力が高い生徒でも短期間にレッスンで測れることには限界があります。特にAの上位とA*の差は僅差なのでA*が取れるかは予測ができません。受験生には自分を信じてがんばってもらいます。過去に教室のグループレッスンと個人チューターで合計週2回レッスンを1年受けて準備した人がいました。結果はA*でしたが、試験前に確実にA*という予測はできませんでした。
2年間またはそれ以上勉強する受験者はA*につながりやすいですが、GCSEが9の優秀な生徒が2年以上勉強してA*には届かなかった不運な例はあります。お子さんの個性と教科の深い部分の相性や当日の体調、運も影響します。現地校の勉強と両立しながら2年間学ぶ挑戦自体がすごいことでありAはすばらしい成績です。また、試験直前まで成長が続くのでUCASの時期にプレディクションでA*を出すことは私の教室では難しいです。
お子さんがのんびりしている
最初の2ヶ月ぐらいは自然な学習の様子を見てみるのもおすすめです。予め時期を決めておいて日本語の先生に面談をお願いするのはどうでしょうか。その時に宿題とレッスンでの様子を聞き、そのままで目標に届きそうか客観的にお子さんに伝えてもらう機会になります。私の教室では先生はターム中、毎週のレッスンと宿題・課題のフィードバックに集中しています。また、お子さんは現地校の勉強や試験などもあります。お互いの忙しい時期が過ぎたタームの終わりごろに必要に応じて面談を提供しています。
作文を見て心配になった
日本語Aレベルの採点基準は受験者以外に簡単に説明できない内容であり、ネイティブ話者が読んで不自然な文でも満点近いこともあります。高得点になるポイントは他の部分にあるからです。先生は優先順位をつけながら指導していることでしょう。他の教科と同じような気持ちでお子さん自身に任されたことだとお考えいただくのがよいと思います。
Aレベル日本語教材
市販教材
パストペーパー
Pearson Edexcelのサイトから入手できます。最新年度の問題は非公開で鍵がかかっています。2026年から問題文の表記が一部変わります。過去問だけではなく最新のSample Paperをご確認ください。
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日本語→英語表記に変わった箇所の例
2025年以前:あなたの自由研究と上の文章の両方を考察して、上のコメントに関する あなたの意見を述べなさい。
2026年以降: Using material from the article and your own research, give your opinion on the above comment.
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日本語→英語と併記に変わった箇所の例
2025年以前:「誰も知らない」の話の中で明と京子の行動はお母さんがいなくなったあとどのように変わりますか。考察して、 あなたの意見を述べなさい。
2026年以降 :(上記の日本語に加えて)Examine how the actions of Akira and Kyoko change after their mother disappears in “Nobody Knows”.
文学・映画の課題作品
文学作品
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どんどん読めるいろいろな話(武蔵野書院)
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キッチン(吉本ばなな)1のみ
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窓際のトットちゃん(黒柳徹子)
映画
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千と千尋の神隠し
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ディア・ドクター
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誰も知らない
漢字
漢字を語彙としてトピック別に学ぶワークブック。クイズアプリも本に合わせて作りました。
漢字ごとに書き順や頻出熟語が学べるワークブック。無料ダウンロード可能。