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A-level Japanese Information 1

イギリスのAレベル試験について

Aレベルとはイギリスで高校相当の学習が修了したことを証明する資格で、General Certificate of Education(GCE)の中のAdvanced Level Qualifications の通称。このページではAレベルの全体的な情報を紹介します。内容はイギリス在住の受験者向けです。

Aレベルの概要

セカンダリースクール後の進路

6th Form /シックスフォームと呼ばれるタイプの学校に進学する人が多いです。シックスフォームは16ー18才の大学志望者にAレベルやIBのコースを提供する学校。Y12-13の2年間通います。役割は日本の進学高校に似ています。シックスフォームは、中学校に併設されていたり(シックスフォーム)独立した教育機関だったり(シックスフォームカレッジ)形態はさまざまです。

 

シックスフォーム以外の「カレッジ」と呼ばれる学校に進学する人もいます。イギリスの「カレッジ」は大学ではなく、進学準備学校や専門学校です。社会人向けカレッジも中学卒業後の進路のひとつです。クリエイティブ系、パフォーマンス系、職業資格が取れるなど個々に特長があり、Aレベル主要学科も学べます。

​​​これとは別にオックスフォード大学やケンブリッジ大学ではカレッジ制度という校内システムがあります。英国中学校の「ハウス」のような感じですが数がずっと多く、30以上のカレッジに名前がついています。受験生はカレッジを選んで出願するので、どのカレッジに入りたい?という話をします。これは中学校の後に通うカレッジとは別物です。

また、イギリスにはキングス・カレッジ・ロンドン大学など名称にカレッジが含まれる大学があります。これらの機関はUniversityであり、中学卒業後に通う「カレッジ」ではありません。​

Aレベルと大学受験

イギリスの大学受験は大学ごとではなくAレベルという共通試験を通して行われます。得点によって各教科にA*・A・B・Cといった成績が与えられ、全教科の結果で大学の合否が決まります。

Aレベルは通常は3教科の試験を受けます。1教科につき2〜3回に分かれた筆記試験がある教科が多いです。実技試験やコースワークが含まれる教科もあります。教科の選択は比較的自由です。大学・学部(コース)ごとに合格条件(エントリー・リクワイアメント)と呼ばれる成績の基準があり、教科の選択に条件がある場合もあります。これらの情報は大学のウェブサイトで公開されています。​

なお、大学進学に有効な資格はAレベルの他にもIBやBtec (Bテック)などがあります。

UCASアプリケーション

イギリスで大学受験の時に行うオンライン手続きで、UCASはUniversities and Colleges Admissions Serviceの略称(ユーキャス)です。受験者が作成して提出した後、受験に関わる機関がデータを閲覧、更新していきます。

 

受験者が記入しなければならない内容は、志望大学・コース、試験を受ける教科、パーソナルステートメント、学生ローンの申し込みなどで、作業は膨大です。同時に、シックスフォームなどの学校が各受験者のデータに成績の予測などを入力します。大学はUCASを見ながら受験者にオファーを出します。Aレベル試験後の最終結果もUCASのシステム上に表示されます。

Aレベルの流れ

  • ​GCSE修了

Aレベルで学ぶ教科を選択し、Y12から2年間学びます。​​大学やコースについて少し調べ、好きな教科に加えて汎用性の高い教科を入れておくことが多いです。

  • Y12の終わりからY13の始め

大学・コースの合格条件(エントリー・リクワイアメント)を調べてUCASアプリケーションの記入を開始します。5校申し込めるので、大学のオープンデーに行ったり、ウェブサイトで比較したりします。オープンデーはY12の6月ごろとY13の9-11月に多いです。

  • UCAS 提出時期

一般大学におけるUCASの締め切りはY13の1月末ごろです。一部の最難関校はY13の10月中旬で、Aレベル本試験の前に事前試験や面接があるため、早いです。

  • UCAS 提出前に

学校が各教科のAレベル試験成績の予測(プレディクション)をABC方式で入力します。校内模試(モック試験)の成績がもとになります。モック試験はY12の夏・Y13の秋を中心に1月のUCAS提出まで何回かあり、プレディクションも更新されます。10月にUCASを提出した人は成績予測は固定され、その後のモック試験結果は反映されません。

  • UCAS 提出後に

成績予測(プレディクション)が大学のリクワイアメントを満たしていれば各大学から仮オファーが来ます。複数の大学から来たら5月ごろまでに2校に絞ります。オファーが来ない時は、成績予測が基準に足りない場合や、基準を満たしているのに競争が激しいケースがあるようです。

  • Aレベル試験

5〜6月に学校や試験センターで試験を受けます。1教科に2〜3つの試験があるので、合計10〜12回です。​

  • Aレベル試験 結果発表​

8月中旬です。予測通りの成績が取れたら、仮オファーの大学からアクセプトされ、合格です。試験結果が予想より低く希望2校とも不合格になった場合は、結果発表当日から定員に空きがある大学・コースの情報がウェブサイト等で公開され、申し込むことができます(クリアリング)。もしくは成績に合わせて翌年に大学を選びなおして申し込む、再挑戦で試験自体を受け直すなど。試験結果をもらうまでに希望コースが変わった人も同様にいくつかの方法の中から検討するのだと思います。

UCASポイントとグレード

UCASではAレベルの成績はABC方式でグレード判定されるほか、UCASポイント(Tariff Point)という数字に換算されます。Aレベル以外の大学受験方法もあるため、ポイント制度で統一されているようです。

UCASポイント

A *56 A 48 B 40 C 32 D 24 E 16


受験科目を増やすとUCASポイントが上がります。ただし、Aレベル受験者の場合は大学が一番に見る成績はメイン3教科です。例えば、C4つの人やC2つ+B2つの人は、B3つの人よりUCASポイントが高いですが、入学条件がBBBの場合はBが3つ必要です。B2つ+C2つの人にはもしかしたらBBBに近い総合力があると見てもらえるかもしれません。でもそれはUCASポイントというより成績に対する判断だと言われています。もちろんUCASポイントが重要な場合もあると思います。

AS試験

1年目の学習内容をASレベル、2年目の内容をA2レベルと呼びます。

 

昔は1年目の終わりにAS試験、2年目の終わりにA2試験を行い、その合計に成績が与えられていました。現在は2年目の終わりにAレベル試験(ASとA2両方の内容を含む)を受ける制度に変わりました。

 

ASは標準的な試験の流れからは消え、日本語AS試験もなくなりましたが、一部の教科では今も続き、AS試験を受けるとその結果はUCASポイントに加算できます。

 

Y12で4教科以上選択し、後から絞り込みを行いたい受験生は1年で中止する教科のASでポイントを得ることができます。ただし2年間学ぶ教科はASの結果は最終成績の一部にはなりません。

 

受験生全体では主要3教科に集中したい人が主流でAS試験で追加点を狙う人は稀です。学校は希望者にはAS試験を提供し、生徒全員が受けるカリキュラムになっている学校は少ないと思います。

Aレベルの教科選択

基本情報

Aレベルは通常3教科を選びます。4、5教科選択する人や途中で3教科に絞る人もいます。教科選択はGCSE修了時に行います。将来学びたいことや好きな教科を中心に決めます。

3教科選択の例

大学を選ぶ時は興味や勉強している教科に合った大学・学部(コース)を探し、Entry Requirement(リクワイアメント)と呼ばれる合格条件にAレベルの指定教科が記載されているか確認します。

 

大学のAレベル指定教科の例(2025/26年)

経済学や工学コースは数学、政治や社会学コースはエッセイの読み書きを含む教科、理系コースは科学のAレベルが必須であることが多いです。成績の指定がある場合もあります。一方で教科の指定が全くない場合もあり、全体的にかなり多様です。

 

  • ノッティンガム大学 法学

AAA(Aレベル教科指定なし・GCSEで英語を含む5教科以上の4+)

  • ダラム大学 政治学

AAA(Aレベル社会学か人文学系1教科必須)

  • UCL大学 経済学

A*AA(Aレベル数学A*必須・GCSEで英語と数学4+)

  • リーズ大学  化学

AAB(Aレベル化学必須・GCSE数学6+)

  • ロンドン・クイーン・メアリー大学 国際関係学

ABB(Aレベル教科指定なし・GCSEで英語と数学を含む5教科以上の4+)

​​

指定以外の教科は自由に選べます。3教科に全く指定がない場合は英語・数学・科学・歴史など汎用性が高い教科やコースに関連する教科を入れると良いと言われます。また、Aレベルの選択が自由でもGCSEにおける一定の成績が求められ、ほぼ全ての大学で英語と数学は4以上が必要です。

芸術系の大学もAレベルを受験して進学する人は多いです。Aレベル以外にも方法や有効な資格があるようです。

  • アート系大学(不特定)

多いのはAレベル2教科以上相当。ポートフォリオが最も重要。アート系のAレベル教科は必須または推奨。コースによりエッセイ系の教科もしくは数学・科学系の教科が必須または有利。

 

  • 音楽系大学(不特定)

多いのはAレベル2教科以上相当。Aレベルの音楽は必須または推奨。実技が最も重要。

4教科受験の例

4教科受験した場合についての大学ウェブサイトにある説明例です。このような説明がない大学も多いです。2025/26年の情報です。

 

  • バース大学 社会学 

AAA(指定なし)もしくはABBB(数学か統計学は必須)

 

  • ケンブリッジ大学 美術史

A*A*A or over(指定はなく、お勧め教科リスト)

歴史・美術史・英語・外国語・数学など

日本語はAレベルの4教科目として取る生徒が多いです。

ネイティブ話者の外国語Aレベル

大学ごとの方針

  • 選択教科として認めてもらえる?

  • 高成績でも大学への印象が弱い?​

 

このような点への説明は大学のアドミッションポリシーの中に書いてあることが多いです。さらに、学部(コース)のリクワイアメント欄に個別の条件が記載されていることもあります。

アドミッションポリシーの例

  • 受験を認め、一般教科と対等に扱う。

  • 受験は認めるが、コースに関連が高い3教科の成績を中心に判定する。

  • 他の教科と同じ年度に受験した場合は対等に扱う。

  • 数学・応用数学・ネイティブ言語の3教科による受験は認めない。応用数学と数学は試験範囲の重複があるため、フレッシュな科目が必要という意味。

 

おおらかなポリシーもたくさんあると思うのですが、注意が必要な例を紹介します。2025/26年の情報です。

  • マンチェスター大学全体のアドミッションポリシー

We consider applications holistically, taking into consideration the overall educational environment. Where a native language A-level has been studied, we’ll consider them on an equal basis with other subjects. 

総合的に評価し、一般教科と対等に扱う。

​​

  • マンチェスター大学 政治・社会学系学部の説明

We accept native language A Levels providing they are taken in the same sitting as your other subjects. We will not accept the combination of Mathematics, Further Mathematics and a native language.

認める。ただし、早期受験や数学系の特定の組み合わせは不可。大学全体の方針よりも具体的に説明されている点に注意。

  • UCL大学

Native language A levels will be considered, however selection may be based on the three most relevant subjects for your degree choice. If you have studied A levels at an accelerated rate, and you have therefore completed this study alongside your GCSE level study, we may stipulate the A levels you are currently studying in your offer conditions.

認める。ただし、コースに関連する3教科の成績を優先したり、Y13で履修している教科で判定する可能性。​

  • LSE大学

A-Level in a first/native language may be excluded if there is significant prior exposure to the language.​​

その言語を日常的に使用している場合は対象外の可能性。

個人的には、英国の小中学校で育ち、第一言語が英語の学生はそもそも大学が定義するネイティブ話者に当たるのか疑問です。これも大学によるかもしれません。いずれにしても3教科に日本語を入れたい場合は学校の先生に相談するなど特に慎重な検討をおすすめします。

参考

日本語を選択する強み

過去の生徒たちには日本語以外の成績や進路について聞く機会がないため、これは私の想像です。

 

例えば合格条件BBBの大学があったとします。試験結果がBBCの人は条件に満たなかったので不合格(大学の判断で合格になる場合も)になったとします。この時もし日本語を4教科目に受けていたらどうなるでしょうか。BBC+日本語がCの人は合格のチャンスがあるかもしれません。BBC+日本語がBだったら教科の指定がない限りBBBを満たしているので合格になるのではないでしょうか。合格条件がAAAの大学で試験結果がAAB、4教科目で日本語でA以上をとっていた場合なども同様に強みになりそうです。

 

Aレベル日本語を学ぶ人は少ないながらも毎年一定数いるので受験に有利になるケースがあるのだと思います。ただし、指定の教科で要求されている成績を満たす必要はあります。また、メインの教科でリクワイアメント以上の成績を取った人や、コースに関連した教科を4教科目に取った人ほどのインパクトがあるのかはわかりません。​

Aレベル日本語を選択する人

大学受験者の大多数はAレベルで3教科を深く学ぶ選択をします。教科ごとの勉強は本当に大変だからです。

 

私の教室では、日本語は受験の戦略というよりは日本語を学びたい人が選択しています。基礎力があっても試験準備に相当な時間を取られるので内容に興味がない場合はお勧めしていません。

  • Aレベル各教科の勉強は大変

  • Aレベル日本語の勉強も大変

  • 4教科目に日本語を勉強すると選択肢が広がったり合格チャンスが増える可能性あり

  • 日本語を途中で中止しても他に3教科あるならAレベル受験にはあまり影響がない

  • ​日本語を3教科に入れることは慎重な検討を

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